受賞者発表

更新日:2022.12.20

12月17日(土)、品川ザ・グランドホールにおいて、決勝プレゼンテーションが行われ、「ゼネテックDXチャレンジ2022」(第1回大会)の受賞者が決定いたしました。


最優秀賞
(賞金:500万円)

高田 悠希

テーマ・キャッチコピー
MichiTERASU~障がい者の方の生活に根差したAIが社会を照らす~

事業アイデア概要

現状の福祉AIは多くが他分野からの流用であり、視覚障がい者の生活に根差していない。そこで本事業では、視覚障がい者の歩行中の危険に特化したデータベースおよび機械学習モデルを作成することで、「障がい者の生活に根差したAI」を開発する。そのAIを白杖等のデバイスに搭載し、視覚障がい者の安心・安全な歩行を実現するとともに、そのAIを弱視者・高齢者福祉へと応用し、また彼らの歩行中に得た危険箇所等のデータを社会全体の安全に生かすことで、すべての人と地域にやさしい社会を実現する。

受賞者コメント

この度は、ゼネテックDXチャレンジにてファイナリストとして発表させていただき、最優秀賞という、たいへん栄えある賞を頂くことができました。研究・開発に注いできた私の高校生活の集大成ともいえるコンテストであったので、本当にうれしく思います。
私がこのDXチャレンジを知ったのは、WEBでの広告を見てのことでした。大学生・社会人も出るコンテストとのことで、始めは入賞どころか最後まで残ることもできないだろうと思っていました。しかし、DXがトレンドになりつつある昨今、大人が本気で考えるプランはどんなものなのか、そして自分は通用するのか、それが気になって応募しました。一次、二次と通過していくにつれ、少しずつプランをブラッシュアップしていき、どうやったら実現できそうか、社会に残せる持続的な仕組みになりそうかを考えつづけ、今回の受賞につながったと思います。まだまだ拙い部分もあるプランでしたが、この課題「視覚障がい者の安全」の重要性が伝わった結果でもあると思いますし、本当に実現できるよう、これから社会実装に向け、努力を続けていきたいと思います。

審査員講評

目のつけどころが良い。解決しようとしている問題に対して、インフラの整備という手段に傾きがちな点を、個人にフォーカスして効率的なアプローチをしている点がとても良い。

優秀賞
【学生部門】
(賞金:100万円)

藤原 七海(右) ・ 平井 美江(左)

テーマ・キャッチコピー
面倒くさいから買わないを無くす!人と地球にやさしい商品を手軽に買おう!

事業アイデア概要

このアプリ「Ethi」はエシカルファッション専門のECアプリです。劣悪な労働環境や健康被害、大量生産大量消費、環境問題等の社会問題を解決する「エシカルファッション」を購入しない最たる理由である情報不足を解決し、購入を促進することで「人と地球にやさしい社会」を実現します。アプリ上では複数ブランドの商品をまとめて掲載し、ユーザーは多種多様なエシカル商品に目を通せます。また複数条件での検索を可能にすることで、より自分にあった商品を選べるようになります。

受賞者コメント

●藤原 七海
今回は素敵な賞をありがとうございます。自分自身の思いから始めたプランですが、このコンテストを通じ様々な方に賛同を頂け光栄です。参考になるご意見も頂いたので、今後はそれを踏まえ開発していきたいです。


●平井 美江
優秀賞として選ばれたこと、とても嬉しく感じています。審査員の方からのアドバイスといただいた賞金の使い道を細かく検討し、今後、プランの実現、そして事業の成功に向けて頑張っていきたいです。

審査員講評

高校生という顧客視点で素朴に重要な問題を捉えている。本当に価値があるソリューションが何か、という点をもう少し深堀りして、より良いアイデアになることを期待している。

優秀賞
【一般部門】
(賞金:100万円)

毛利 公一

テーマ・キャッチコピー
AI・IoTを活用した睡眠環境管理システムを備えた障がい者向け寝具

事業アイデア概要

人間本来の能力を発揮させる第一歩は快眠である。本商品プランでは、重度障がい者の体験を基に、特許技術の高感度呼吸センサと AI のディープラーニングを用いて、誰もが安心安全快適な睡眠環境管理システム「安寝(あんしん)」を開発し、不眠に悩む世界中の人々に安心で質の高い睡眠を届けることを実現する。

受賞者コメント

大変貴重な場に登壇をさせていただき、本当にありがとうございました。弊社は、重度障がい者に特化したものづくりを行っています。体の状態や、体調などは個人個人によって大きく違うため、体に合った商品を見つけるまでに多くの時間がかかります。そこで、1番有効なのが、AIのディープラーニングでしょう。商品を最初からユニバーサルな形で作成し、使えば使うほどカスタマイズ化されていく形が人に優しい社会の実現になると考えています。最後になりましたが、今回の経験と皆様との出会いをこれからも大切にしていきたいと思います。

審査員講評

障がい者だからこその視点だが、実はすべての人の睡眠を快適にするソリューションである点が良い。

佳作
【学生部門】
(賞金:50万円)

松木 大地

テーマ・キャッチコピー
体の治療が心の苦痛にならないように 治療を促す服薬支援アプリとデータ分析

事業アイデア概要

喘息など慢性的な病気の子供を対象に、嫌いな服薬を、育成ゲームアプリを通じて能動的に行えるようにサポートします。これにより、親のストレス低減や時間削減、コミュニケーション活性化に繋がります。また、アプリで記録した服薬履歴や行動、治療効果、体調記録のデータ分析をもとに、診断の改善や、服薬実態や生活様式に合わせた飲みやすい創薬に活用できます。これにより、患者のQOL向上や残薬問題の低減が期待できます。

受賞者コメント

まずは今回ビジネスプラン発表させて頂く舞台を準備して頂いた株式会社ゼネテックの皆様にお礼申し上げます。今回発表させて頂いたビジネスプランは留学中に思い立ったものになり、留学先に学んだことの一つとして「舞台」に立つ重要さです。今回のように舞台に立つ機会があり、より現状のアイディアと向き合い、準備が加速されました。今回の頂いた結果と他の発表者からの学びをもとに、今後の活動に活かしてまいります。

審査員講評

解決したい課題が明確でありながら、他に取り組んだ事例が少ない。子供が薬を飲みやすくなるよう工夫をしているようにみえるが、実は受益者が親という点が面白い。

佳作
【一般部門】
(賞金:50万円)

楠 裕史

テーマ・キャッチコピー
「懐かしい!」を呼び起こすAIラジオ

事業アイデア概要

各種の研究結果より「懐かしい感情」は脳に多くの効能を生み、特に高齢者には認知症の予防やケア及び交通事故削減に効果がある事が立証されている。そこで、高齢者の「懐かしい感情」を効率よく及び楽しく呼び起こすツールとして、高齢者のなじみ深いラジオの新しい形態の「AIラジオ」を開発する。尚、AI技術を使う大きなポイントは、人と違って、何度も同じ話を聞いても「AIは怒らない」ことです。

受賞者コメント

このような機会をいただきありがとうございました。このコンテストを機にプランの細部までブラッシュアップ出来ましたし、チームの相互理解や結束力が高まりました。また高評価いただけたことは、私たちの背中を押してくれる大きな励みにもなりました。シニア世代の「思い出話に快く付きあってくれるAI」の実用化に向けて開発を進めてまいります。皆様のご協力を賜り、幅広い普及を目指していきたくよろしくお願いします。

審査員講評

高齢化時代における人間の本性に直撃する提案。『回想新聞』にデジタルを加えるという、まさにDX。