革新的な蓄電池を開発し話題のベンチャー企業、株式会社パワーエックスが、
日本最大級の蓄電池組立工場「Power Base」を立ち上げる際に導入した
ゼネテックの離散事象解析3Dシミュレーションソフト「FlexSim」。
「FlexSim」を導入する経緯や使用感、その効果を株式会社パワーエックス担当者に直撃!
人と地球にやさしい社会を目指す2社のDXな取り組み・関わりを見ていきましょう。
本日は、革新的な蓄電池を開発している、今話題のベンチャー企業、株式会社パワーエックス様にお話をお聞かせいただきたいと思います。皆様、よろしくお願いします。
まず、パワーエックス様の革新的なビジネスモデルについて、牛島様からご紹介いただけますでしょうか。
パワーエックスでは、太陽光パネルや風力などが作り出す自然エネルギーの「溜める」「運ぶ」「使う」を統合的にデザインすることで、自然エネルギーの爆発的普及を実現させることをミッションに掲げております。まずは、自然エネルギーの「溜める」を実現するため、蓄電池の開発に取り組んでおります。
蓄電池の「溜める」に注目された背景を教えていただけますか。
現在の日本では、日中の太陽光パネルによる電力が17%を占めています。しかし、夜になると太陽光パネルによる電力は0%になってしまいます。電力は発電したら直ぐ消費しなければいけないからです。そうすると、夜間は電力需要が高くなるため、火力発電所が大量の電力を作ります。これが、CO₂が減らない原因です。もし、エネルギーを蓄えておける蓄電池を普及させることができれば、夜でも太陽光などの再生エネルギーを利用できるようになります。CO₂削減にも、EV自動車の普及にも貢献できると考えております。
従来の蓄電池と比較してパワーエックス様の蓄電池はどのように優れているのでしょうか。
従来の蓄電池は、蓄えられる電力量も、EV自動車へ充電するスピードも、実用には程遠く普及するに至っておりません。なぜなら、普通充電でEV自動車を満充電するには約24時間もかかるからです。弊社が開発している蓄電池は30分で満充電させることができるようになります。将来的には240kwの超急速充電で満充電まで18分を目指しています。
24時間が30分になるだけでもすごいイノベーションですね。
つまり、パワーエックス様の蓄電池が普及すれば、CO₂削減など地球にやさしい社会を実現できるということですね。
そのとおりです。
ゼネテックも「デジタルで人にやさしい社会を。」をビジョンに掲げておりますので、パワーエックス様の取り組みと親和性があるなと感じました。
ところで、蓄電池を開発するにあたり、井上様はどのような役割を担っていらっしゃるのでしょうか。
岡山県で日本最大級(約28,272平米)の蓄電池組立工場「Power Base」を立ち上げております。私はそのプロジェクトの全体管理をしております。
岡山の工場を立ち上げるにあたり、どのような課題を抱えていらしたのか、教えていただけますでしょうか。
工場立ち上げに向け、工場建屋、生産工程、ロジスティクス、システムというワーキンググループを設けプロジェクトを進めています。プロジェクトを推進する過程で顕在化する様々な問題・懸念に対して、ワーキンググループ間での相互影響を確認しながら迅速に意思決定していく必要があります。この迅速な意思決定のためには、関係者が「出来上がりの姿の共通認識を持つ」ことがとても大切なのですが、それをどうやって実施するのか、が課題でした。
そうした課題を解決するためにゼネテックの3Dシミュレーションソフト「FlexSim」をご検討いただくことになります。「FlexSim」をどのように知りましたか。
工場シミュレーションができるソフトウェアの比較検討を行う中で、工場立ち上げプロジェクトに協力いただいている企業様より紹介いただいたことがきっかけです。2022年6月ころ、ゼネテックのご担当者にお会いしました。
何社のソフトウェアを比較検討されましたか。
数社のソフトウェアを比較し、ゼネテックさんともう1社の話を伺いました。
他社と比較した時に「FlexSim」が優れていた点を教えていただけますでしょうか。
まず、ユーザーインターフェースがとても使いやすそうだと感じました。特に気に入った点は、工場の3Dモデルを作成するにあたり、コードを書かなくていいことです。オーダーピッキングの順序や優先順位などを、コードを書かずに「フロー図」で条件設定できる点は簡単で便利です。プログラミングできる人材を必要としないので「誰でも使える」と思いました。
それから、「FlexSim」の導入実績が豊富なゼネテックさんから、モデリング作成のサポートを受けられるという点も大きかったです。短期間で初期モデルを作り上げるために、ソフトウェアに詳しい方のサポートは必須と考えていました。
モデルとはどういうものでしょうか。
モデルとは、弊社がお客様からヒアリングさせていただいた情報を基に、あらかじめ3Dオブジェクトを配置して工場を仮想空間に再現したものです。現場の方々は忙しいでしょうから、そういったモデル作成をゼネテックへオーダーいただく事も可能になっております。
「FlexSim」を導入する決め手は、他にもございましたでしょうか。
「FlexSim」導入までのプロセスと必要期間を伺い、このスピード感で実現できるなら是非お願いしたいと思いました。
また、工場を立ち上げた後も、設備追加、生産ライン追加、人員増加など、その時々で「FlexSim」でシミュレーションすることで、長期的に工場の効率化・最適化ができそうだと感じたことも導入の決め手になりました。
2022年8月に「FlexSim」を導入されました。スムーズに使い始められましたでしょうか。
はい、とてもスムーズでした。導入してからトレーニングを受け、モデル作成してからシミュレーションを開始しました。今回は、ゼネテックさんにモデルを作成していただいたので、順調にシミュレーションを始めることができたと思います。
実際に使い始めてみて、どのようなご感想をお持ちですか。
コードを書かずにフローチャート図を作るだけでシミュレーションできる点はとても便利だと思いました。稼働設備の数や人員の数などを簡単に変更してシミュレーションし直せるので、色々な検討がしやすいと感じています。
経営者をふくめ社内での「FlexSim」に対する評価はいかがでしたか。
工場がどう動くのかを3Dで視覚的に社内で共有できることは非常に大きいです。様々なことを同時に設計している中、工場がどの様な形になるのか、社内で共通認識を持つことはとても大切なことでした。
社員からは、「『FlexSim』で作成したシミュレーションがあったことで、共通認識を持つことができた」と高い評価を得ました。また、シミュレーション動画は、弊社経営層だけでなく、物流パートナー、ラインビルダー、工場デザイン・建築企業、主要株主様とも共有しています。「工場の見える化」が実現できたことを実感しております。
まだ工場の建設中だと思いますが、すでにシミュレーションの結果が役立った場面はありますか。
全体の設備配置は完了していないものの、フォークリフトとAGV※1の動線が重なる箇所があることが分かり、レイアウトやマテハン※2の再考のきっかけとなりました。
今後、「FlexSim」を活用して実現したい事がありましたら教えてください。
まずは、岡山工場を確実に立ち上げるため、シミュレーションを通じて課題を事前に発見し、対策を打っていきます。次に、工場稼働後のレイアウト改善においても同様に、シミュレーションで実現性の検証・効果の事前把握をしていきたいです。また、今後新たな工場を建設することになった場合、作成したモデルを流用することで、立ち上げ速度を速めていければと思います。引き続き工場のDXにチャレンジしていきます。
さらに工場内だけでなく、主要部品サプライヤ、外部倉庫、蓄電システム設置先などサプライチェーン全体までスコープを広げ、トータルでのコストや生産性のシミュレーションができれば良いなとも考えております。
ゼネテックとしても、「FlexSim」は中長期的にお役立ていただけるソフトウェアだと考えておりますので、これからもしっかりサポートさせていただきます。
本日お話を聞いていますと、パワーエックス様が「ものづくり大国」と呼ばれた日本の製造業復活のシンボルになるのではないかと感じました。
ありがとうございます。そのようなご評価をいただけるよう頑張ってまいります。
本日は工場のDXについてワクワクするお話をお聞かせいただきました。パワーエックス様、本当にありがとうございました。
ありがとうございました。
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